遠距離恋愛と単身赴任との大きな違い

愛する人と離れて暮らすのは誰にとっても辛いことなのではないでしょうか。しかしながら社会人でいる限り、転勤は避けて通れない場合があり、好むと好まざるとに関わらずひとつのカップルの間に物理的に距離が開いてしまうということは稀なことではありません。
しかし、同じように離れて暮らすことになっても、遠距離恋愛と単身赴任では大きな違いがあります。その1番の違いは、結婚しているかしていないかということではないでしょうか。
結婚している夫婦ならば、たとえ距離があったとしても「結婚」という一種の契約の下でお互いある意味縛られているということになります。仮に赴任先で第三者の異性が周りに現われ、心を奪われてしまったとしても、その人と深い関係になってしまえばそれは不倫ということになるわけです。急にひとり暮らしになって、家族がそばにいない寂しさに不倫をしそうになったとしても、ほとんどのケースでは自分は結婚しているという自覚があるため自制するということが期待できるはずです。もしもそうならず、離婚ということになったとしても、法の下で慰謝料や子供の養育費といった取り決めがなされます。また、たとえパートナーが不倫をしている事実を知り、実質的には夫婦関係が破綻していても、離婚届に絶対に判を押さないという選択も可能です。つまり、単身赴任でパートナーを送り出した場合は、ある種の保証があるといっても良いのではないでしょうか。
一方、遠距離恋愛の場合では、立ち位置はあくまでも「恋人同士」ということになります。従って相手が赴任先等で新しい恋に落ちたとしても、それは仕方がないこととして受け入れざるを得ません。恋愛というのは自由なので、どんなに悲しい思いをしたとしても、何らかの埋め合わせを得たり法律で相手を裁くことは不可能です。諦めきれずに相手が住む街を何度も訪れて相手にすがったりすると、最悪の場合ストーカー認定されてしまうということだってあり得ることです。
つまり、遠距離恋愛と単身赴任では安心感と、相手を失った際の状況がまったく違うと言っても差し支えないでしょう。そのうえ、単身赴任は会社の業務命令ということなので、飛行機の距離であっても一定期間おきに企業が規制の費用の面倒を見てくれます。従って交通費等の費用を心配することなく決まった期間ごとのパートナーの帰宅が実現します。
しかし、これが遠距離恋愛となると間に会社は入っていないので、パートナーに会いに行ったり、恋人の元に帰るための交通費が嵩んでしまうのは事実です。比較的近い場所ならば良いのですが、遠いところや海外となるとなかなか会う機会が持てず、中には自然消滅してしまうカップルも存在するのが事実です。
このように考えると、遠距離恋愛は続けるのが難しいようにも思えますが、逆に遠距離になったおかげでお互いがお互いの存在を見直す切っ掛けが得られ、却ってふたりの絆が深まったというカップルも決して少なくはありません。
単身赴任と遠距離恋愛では、置かれている立場に違いはあっても、距離が離れていることが必ずしも心まで離れてしまうことにはならないということを良く覚えておいてください。結婚していてもしていなくても、ひとりでいる時間やひとりで考えることは、ふたりの関係を良くするためには必要なことです。相手に依存しない大人としての自立というのは、人をひと回りもふた回りも成長させるものです。
現在はテクノロジーの発達により、たとえ遠くにいたとしてもパソコンや無料アプリを利用することで、顔を見ながら話をすることが出来ます。こういったものを上手に使って遠距離でも心の距離まで広げないよう努力することが重要なのではないでしょうか。

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