遠距離恋愛で久しぶりに会ったときの感情はどんな感じ?
遠距離恋愛ではいつでも直接会って話すと言う訳には行かず、コミュニケーションを取れるのは極めて限定的となってしまいます。
しかし、ここ数年では誰もがスマートフォンを所持し24時間いつでもインターネットを利用できるのが当たり前となったことから、その辺りの事情は大きく変化しました。
かつては遠隔地との連絡手段は電話や手紙しかなく、実際に会えるのは週末や夏休み冬休み、年末年始の休暇程度、あるいはお仕事によってはもっと会える日は少ないこともあります。
電話や手紙では直接顔を見ずに行うやりとりになるため話せる内容も少なく、久しぶりに会ったときには前回に会ったときから現在までの出来事や近況報告、文章だけでは伝え切れなかったことをより詳しく話すなど、これまで言いたかったことが溢れてあっという間に時間が過ぎて行きました。
遠距離恋愛には常に悲壮感が漂い、会いたいときや話したいことがあるときでもすぐに会えずにすれ違いが続き、何とか別れずに離れ離れになりそうな気持ちを繋ぎたいという思いが見え隠れします。
久しぶりだからこそ話したかったことが溜まった状態で会えば、相手のことを思うよりも自分の言いたいことを一方的に話してしまいがちで、これをきっかけに喧嘩になったり別れ話にまで発展してしまうことも少なくありません。
その一方で昨今では、インターネットがいつでも行えるスマートフォンを常に携帯し話したいことがあったときにはメールやメッセージアプリで送信したり、ハードウェアや回線品質などの環境さえ整えばテレビ電話やビデオチャットを利用して顔を見てリアルタイムに話すことができます。
そのような事情から昨今の遠距離恋愛で久しぶりに会ったときには、メールやメッセージアプリなどのやりとりの続きを話すことが圧倒的に多い傾向です。
ここから分るように、電話や手紙しかコミュニケーション手段が無かった時代には前回に会ってから現在に至るまでの「過去」を話し、メールやメッセージアプリで常時繋がれる現在では先日話をした内容の続きの「現在」や「未来」を話す割合が多くなるので、感情が進行するスピード感が大きく異なります。
そのため、かつては遠距離恋愛と言えばいつ別れるのかは時間の問題とも酷評されることもありましたが、現在では遠距離恋愛を継続しながらいずれ真のカップルとなったり結婚に至るケースも増えています。
また、ライフスタイルや意識の変化も大きく、かつては真剣な話をするためには直接会って話すのが何より大切と言う感覚から、話す内容が同一であればテキストベースのメッセージのやりとりでも合理性に何ら変わりは無いという感覚が大きく作用するのも見逃せないポイントです。
そのような意味では、実際に会うのは久しぶりだったとしてもメッセージによるやりとりを毎日行っていた場合は、久しぶりだと言う感覚は余り無く、日常の延長上に使用しているツールの違いが存在しているのみとなっています。
ただし、人間には感情や本能と言うものがあり、それでもなおどんなにテクノロジーが進化しても実際に会う行為には敵いません。
人間には視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感がありますが、インターネットを通じてのコミュニケーションでは現時点でその全てを感じることはできません。
例えば相手の手に触れたときに感じる感触や温もり、その瞬間に抱く感情は光ファイバー回線に通すことは不可能です。
前述のように言葉のコミュニケーションという意味では距離の垣根は取り払われつつありますが、実際に会ったときの感情とは五感で感じることのできる全てであり、何にも代え難いものです。
久しぶりに会えたときに感じるこの感情をインターネットのやりとりだけでは感じることは不可能で、これこそが人間の素晴らしさであり、たとえ遠距離恋愛となっても恋をすることが止められない理由です。